2009年8月5日水曜日

卵−3

 あるサラリーマン、専業主婦の妻と2人での学生時代からのアパート暮らし。

今度、1軒屋を借りることにした。
経緯は、妻と2人でモイワヤマへハイキングに出かける途中で、ちょっと立ち寄ったコンビニの前の電柱に不動産屋の張り紙を見たことによる。
新築・1軒屋 5LDK建物50坪・土地200坪、月7万円、車庫2台分、敷金礼金なし、水回り改装済み。
さっそく、その不動産屋に携帯で電話してみると、まだ誰も申し込んでいないという事なので、ハイキングを中止して2人で物件を見に行くことにした。

その1軒屋と云うのは、中年の一家が6年前に建てて住んでいたが、新築草々ご主人がある日突然いなくなり、今度死亡認定されることになったので、その妻が実家に帰ることにしたためだとの事であった。
2階建てで、車庫は庭にあり、通路で母屋とつながっていた。
家主は既に引っ越してしまっており、家の中はガランとしていた。
必要最低限の照明器具やカーテンなどはそのまま残されており、家電製品や寝具、居室調度品、台所器具などを搬入すればよい様になっていた。
家主の確認をとるための審査があるという事で、妻が書類を揃えて不動産屋に持参、確認でき次第引っ越すことにした。

********************************

引っ越して3ヶ月目、生活は非常に快適であった。
土曜日の朝、2階の書斎でパソコンをいつものように操作していた。
自然食品のサイトのHPをあれこれ検索していると、卵を販売しているという、ある頁に興味をひかれた。

「最新ニュース : ついに今年2150年、卵から孵化した女性を男性に性転換するDNA操作が成功しました」というものであった。
「ついては、卵から孵化させ、すぐに船転換手術を行い成人にまで飼育した男性20個をお好みのタイプをとり混ぜてパックし、を飼育ケース、1年間の飼育肥料付きで、送料込1万円」
「タイプについては詳細頁を参照してください」
え? 今は西暦2009年のはず、このHPの作者はまたいい加減な更新をして、随分と危ないHPだな、すぐに出よう。
 そこで画面の右下に卵のマークに「出る」と表示されたボタンをクリックした、さっさと危ないHPから元の検索画面に戻るつもりで。
所が、クリックした途端にディスプレイから突然に白い煙が立ち上り、あと言う間に部屋っ全体に広がっていしまった。

煙の向こうの方から「ドッチラケーー」という言葉が聞こえてきた。
急いで煙りを部屋の外に追い出そうと、立ちあがって窓を開けにかかるのだが、宙を歩いているようで、窓のところに行きつかない。
もがきながら、閉まっているはずの窓に手をかけようとしたとたん、そこに窓は無く、外に転げ落ちてしまった。

**********************************************

「しまったー」、、、心は真っ青になった。
何しろ上下左右が全然わからない状態であるから、これはきっと大けがをするか、ひょっとして首の骨を折ったりして死んでしまうかもしれないと思いつつ、手足をばたつかせて何かにつかまろうとしていた。
が、、、いつまでたっても地面にぶつからない。
なんだか空中を遊泳しているような気分であった。

どのくらい時間がたったであろうか、1秒か、1分か、はたまた1時間か、1日か、、、、。
スーッと視界が開けてくると、野原のようなところに立っていた。
いや、野原ではない、どこかの駐車場だ。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿