山頂の展望小屋には鍵もかかっておらず、簡単に中に入ることができたので展望台に登ってみた。
ここから見れば、何か手掛かりが見えるかもしれない。
展望台には石碑が建っていた。
石碑の正面には上下の2か所に分かれて碑文が刻まれていた。
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西暦2050年に地球より100光年のX座Y星がスーパーノバを起こした。
その1000年後、3050年にはその衝撃波が地球を襲ってくることになる。
計算するに、その運命の日、地上の空気、水は全てはぎ取られ、地球は空気も水もない月のような死の星となるであろう。
これは2000年にはすでに予測されており、以来、世界から科学者、技術者の精鋭1000人を集めてミュータント、及びロケット、宇宙基地の開発を行ってきた。
2030年、ほぼ技術的なめどがつき、以来、月の裏側に開発拠点を移し、地球から選ばれし者9000人を集め月の1000人と合わせて、1万人の脳の中をそれぞれのミュータントに移し替えた。
予測通り2050年、スーパーノバが観測された年に、ミュータントの月から宇宙への移動準備が完了し、同時に選ばれし1万人の凍結保存カプセルを月地殻内部のマイナス200度の永久凍土の中に設置し終えた。
選ばれし1万人の冷凍保存処理は全てミュータントが行う事になる。
選ばれし者はミュータントに姿を変え、「死」を超越した存在として地球を離れ、新しい世界を求めて宇宙に出発する。
1万年後、再び月に戻り、月の灰の中から選ばれし者を再び呼び起こすであろう。
地球を捨てた選ばれし者の復活の日となるであろう。
復活の日、灰からよみがえった我らは感謝の涙を流すであろう。
願わくば神よ、その日に我々選ばれし者たちが慈悲を持って裁かれんことを。
西暦2050年2月1日 世界連邦
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西暦2100年に人類はついにDNAの細胞自殺の仕組みを突き止め、テロメアの除去に成功した。
さらに、それは老化の仕組みも同時に解決することになった。
しかしこの治療の完成のまえに新太陽の出現により人類のDNAが変質、この技術は過去のものとなってしまった。
新太陽の影響が出始める前に治療を行った僅かのものだけが、永久の生命を得た。
そして2150年以降、人類は胎児を産まず、代わって卵を産むようになった。
なをかつ卵からかえった人間は全て女性であった。
それから20年、女性の男性への性転換治療研究を続けるが、卵からかえって1週間以内の人間に対しての性転換しかできず、しかも、奇形の男性にしかならなかった。
ここに2200年、人類は男性を種の保存用の「子供を産む機械の部品」としてのみ、継続して卵からかえった直後の女性に対しての治療で特定数のみ製造、保存、飼育し研究を続けることとした。
2200年制定の「子供を産む機械に関する法」を記念して、ここに石碑を建てる。
また、生命の永久化については2180年に至りようやく成人前後の若い女性に限るが、治療方法が完成した。
西暦2200年2月1日 世界連邦。
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死から逃れるため、死のない世界を目指して、「死」を超越したミュータントに姿を変えて地球を旅立って行った人類が2050年にいたのか。
そして死のない世界を作ろうとしてその途中である、今の人類がある、ということか。
今の人類にとっては、「死」のない世界が永遠に続く事が望みなのか。
だから、生活のあらゆる局面で「し」を捨てているのか、、、、、なるほど。
石碑の裏側に回ってみた。
裏面にも碑文が刻んであった。
どうも日本語ではない。
ロゼッタストーンみたいだな、と思いつつなんとなく眺めてみた。
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We,Guilty Being, Made Our Selves.
Our Selves Come Out Into Universe For Eternal Life Now.
They Shall Return Here 10,000 Years After To Rise Out Us From Ashes.
We Shall Rise Up With The Tear On That Day.
We,Guilty Being ,Shall Be Judged On That Day When We Rise Up From Ashes.
Our Load, Grant Us.
Our Gentle Lord Have Mercy On Us.
AMEN.
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どうも英語みたいだけど、正しいのかな?
なんか怪しげな感じだな、−−。
何が書いてあるのか全然わからん。
最後の言葉は、「エイメン」かな?
どういう意味だろ? 分からん。
前にRを付ければ「ラーメン」だ。
家に帰ってラーメンを食いたい。
英語なんて I am a boy とか、 This is a pen しか分からんものなー。
金髪の女性とのデートで I am a boy とか、 This is a pen なんて、言う訳ねーだろ!
5億円の予算要求の調査報告書に I am a boy とか、 This is a pen なんて、書く訳ねーだろ!
日本の英語教育の連中なんて、バッカみたい。
日本語を知らなさ過ぎるよ。
それに英語が得意とか云うキャリアウーマンだか、女性起業家だとかいう連中のあの高慢な態度も嫌だねー。
日本語をよく知らなくて、日本の文化もよく知らないくせに、日常の英会話ができるというだけで俺のような英語全然ダメと云う男を見下した傲慢な態度は、、、、嫌な連中だよ。
自分より30cm以上背の高い白人にいつもベターとくっついてさ、、、。
俺なんかが挨拶しても横向いて気がつかないふりをするもんなーー。
悲しい気分になりながら石碑に寄りかかると、、、グラッと揺れて向こう側に倒れてしまった。
「アレッ? 固定してないの?」
倒れるとともに石碑は幾つかに割れて、同時に割れ目から白い煙がもくもくと立ち昇り始めた。
すぐにあたり一面が真っ白い煙に覆われ、どこからか音楽が聞こえてくるような、こないような、、、、耳がふさがれているような気分だった。
煙にむせんでいるうちにだんだん気が遠くなっていった。
ふと気がつくと、見慣れた光景、2階の書斎の机に伏せていた。
「あ! 夢か。 いつのまにか眠ってしまったのか」
1階から妻が呼ぶ声が聞こえた。
「まさちゃん、ラーメンができたよーー。 ついでに私が使ってたパソコン持ってきてーー」
よかったーー、「し」がちゃんと付いている。
そこで友人に上げることにしたとかいう、妻が去年まで使っていたパソコンを抱えて1階に降りて行った。
玄関に女性が一人立っていた。
「お友達の優子、パソコンを使ってもらう事にしたの」
あれ、どこかで見たような、、、、思い出せないな、、、。
「ども」
彼女がすかさず「はじめまして、優子です。」
「フン!、、、意外とちっちゃいのね」
「フン? 、、、、、、意外とちっちゃいのね?、、、、、」
「あ−−−!!!! あの女医だ!!!!、、、、、、」
すっと気が遠くなっていった。
「あら! ご主人、失神しちゃったわ」