2011年2月24日木曜日

3Dプリンターー4

アパートで研二は取り替えたブチのギズモをみて、何か商売にならないかと考えていた。
ふと、風呂で体を洗うスポンジに代りにいいのじゃないかと閃いた。
早速、風呂に持ち込んで試してみる事にした。

やってみると、表面の毛がとてもいい泡立ちを見せた。
これはいい、インターネットで宣伝してみよう。
有美子に頼んで、風呂でギズモで体を洗っているところをビデオで撮影して、それをYOUTUBEに載せた。
最後に、YAHOOオークションに5ドルで出品しているとテロップをだした。

YOUTUBEはたちまち評判になり、5万件/1日のアクセスが殺到した。
オークションも、世界中からアクセスが殺到し、毎日1,000個を出荷する羽目になった。
1日の売り上げが5,000ドル、諸経費を引いた1日の利益が2,000ドル。
1週間後には、アルバイトを頼んで、プリンターも3台買い揃えて、1日5,000個を作り続けた。
毎日、2万ドルの利益が3ヶ月続いた。

合計、180万ドルの利益をあげる事ができた。
その後も、売り上げは少し落ちたものの、毎日1,000個を売り続けた。
この頃になると、インターネットでの売り上げより、雑貨屋へおろす方が数も利益幅も大きくなっていた。
毎月の利益は10万ドルになった。

1年後には預金通帳の残高は、300万ドルになっていた。
この頃になると、140万個に達したギズモについて、世界のあちこちで奇妙な現象が報告されるようになった。
風呂場のバスタブに浮かべておいたままにすると、翌日にはギズモの数が増えているのである。

そして、さらに1年後の、ある満月の夜、一気に爆発的にギズモが増殖しだして、しかも1千万個に達したギズモが人間を襲いだした。
人間ののどに噛み付き、失血しさせだしたのである。
人間の血を浴びたギズモは、たちまち増殖し、しかも一層凶暴になり、またさらに人間を襲いだした。

こうして地球から先進国地域に住む人間がいなくなってしまった。
残っているのは、アフリカの黒人と中東のアラブ人、中央アジアのモンゴル人だけとなってしまった。

研二と有美子も、郊外の自宅で増殖したギズモに噛まれて死んでいた。
地球の空は青くさえわたり、海岸には砂浜が広がり、アフリカや中央アジアには森が甦り、多くの動物が地上に繁栄していた。

人間の痕跡を示すものは、海岸線に幾つも聳え立つ、原子力発電所であった。

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