研二は既に大学生になっていた
相変わらず3Dプリンターに夢中であった
そんな彼にも、有美子という、毎日メールしあっていた一人の恋人が出来ていた
医学部の学生で、微生物学教室で、粘菌の生態について卒業論文の研究をしている女性である
彼は、新しい3Dプリントを手がけようとしていた
ギズモである。
まず、適当に考えた骨格の3D画像で、プラスチック粉から骨格標本を3Dプリントした。
ついで、体表面の3D画像を映画を参考にしながら、コラーゲン粉末で3D像を作って、骨格標本にかぶせた
ここまでは既に出来て満足していた
表面の毛皮の部分の3D画像に手間取っていたのである
きょう、漸くその3D画像が出来上がった
そして、プラスチック粉末で、毛皮の3D標本を作り、それをかぶせた。
これで、ギズモが出来上がりである
早速研二は有美子にメールした、ギズモがやっと出来たから、見においでと
翌日の土曜日のお昼に彼女は研二のアパートにやってきた
そのとき、研二は既に3体ほどのギズモを作っていた
赤毛のギズモ、茶と白のブチのギズモ、白毛のギズモである。
彼は彼女に好きな1体をあげると言ったので、彼女はぶちのギズモをもらうと言った
彼女はもらったギズモ人形をもてあそんでいた。
『ね、ギズモの映画を見に行かない?』
2人は揃って大学の図書館へ出かけた
そこの視聴覚ライブラリーで、2人で30年前のギズモの映画を見た
『ギズモって、水につけると細胞分裂して増殖するのね』
『そのギズモはプラスチックとコラーゲンだから、水につけたって、プカプカ浮いているだけだよ。増殖するようだと面白いだろうけどね』
2時間ほどして映画が終わると2人は分かれて、研二は卒論の参考資料を借り出しにカウンターへ向かい、検索を始めた
有美子は、これも卒論の準備に、研究室へ向かった
研究室に入ると、もらったギズモを、机の上においてあったズタ袋の上に置いた。
ズタ袋は、研究資料として大学のキャンパスから運んできた土が入っていた。
狙っていた粘菌の採取が終わったので、元の掘った所に返しにいく為に残った土を入れて置いてあった物だった。
このとき、土の中の粘菌が、袋の布を通り抜けてギズモのお尻の穴から入り込んでいた。
粘菌の動きをビデオ撮影し終わると、有美子はギズモを持って帰路に着いた、。
アパートに帰ると、直ぐに着替え、食事の準備を始めた
今日は、レトルトの雑穀おかゆと、レトルトのハンバーグを3分間沸騰させているお湯に入れた
カット野菜の冷凍を、これも1分間沸騰させている熱湯につけた
テーブルに食事を並べながら、同時に湯船に47度に設定したお湯を張った。
食事が終わって、TVをつけると、ニュースを放送していた
今日も、1軒屋の住宅で、原因不明の男性の窒息死体が、連絡が取れなくなり心配して訪ねてきた兄弟に発見されたと言うニュースが流れていた
また、ベッドの死体の横には、マリリンの人形が横たわっていたと言うニュースであった。
『嫌ーね、男がどんどん少なくなっていくわ』
その時、ピーッという音と同時に『お湯を張り終わりました。給湯口を締めてください』という音声ガイドが聞こえた
湯船の温度計は41.5度を指していたので、衣服を全部脱ぎ、
ゆずの入浴剤の袋をお風呂に入れ、
ギズモを抱えてお風呂に入った。
ゆずの入浴剤の袋をもみながら、体を洗い、洗い終わると、その袋で湯船をこすり洗いして湯垢を落とした後、お湯を流した
ギズモ人形は風呂場の横の洗面台に置き、素っ裸のまま、ベッドへいき、TVをつけながら横たわって寝入った
一方、研二の方は図書館で参考資料を3冊ほど借り出して、アパートへ戻った
途中で、大学の前の通りの中華ソバ屋で夕食のラーメンを食べてから、アパートへ戻ってきた。
パソコンをつけてメールチェックをすると、有美子からメールが入っていた
『ギズモありがとう。 白い方が好きなんだけど、、、、駄目かな?』
『月曜日に持っていくから、交換しよう。 12時に図書館の前で待ってるよ』と返事した。

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