2011年2月5日土曜日

3Dプリンター -1

今、2030年である。
パソコンは、日常生活に必須の道具として、情報のやり取りだけでなく、生活そのものでもある。
健康管理は、自宅のパソコンと医療機関との情報のやり取りで行うようになっている。
パソコンには、購入時に既にツールとして血圧計、心電計、血糖値測定器などの簡易測定器が備えられており、
また、医療機関の基幹データベースには、市民の顔写真や血液検査結果や、レントゲン写真などがストックされており、
医師は、パソコンのカメラから病院にリアルタイムで送られてくる、患者の写真と、過去の写真を見比べて健康状態を大雑把に把握できる仕組みになっている。

また、自宅でも。
自宅のパソコンと病院を繋いで、自宅でいながらにして患者情報を見たり、直接に患者とパソコンでやり取りもできるようになっていた。

従って、市民は体の具合が悪いと感じた時は、まず自宅のパソコンで簡易チェックを行い、それを医療機関に送信して、簡易診断を受け、必要があれば病院へ出向く仕組みになっている。
また、それらとのやり取りは、自動的に健康保険組合に送信され、会計処理も自動的に行われるようになっている。
そして、今、周辺機器にも、進化したものが廉価に提供されるようになっていた。
例えばプリンターであるが、3次元プリンターが一般市民のパソコンに普通に提供されるようになっていた。

2次元の平面プリントの場合は、普通のカラープリンターとして働くが、3次元立法体にも、加工しながらプリント印刷が出来るようになっていた。
当初は石膏粉と凝固剤の混合粉末を使い、パソコンから送られた3次元立方体を作りながら、表面に着色していくものである。
最近では、複数の材質を使用して、しかも内部構造まで形成する3次元プリンターが出始めた。

一般家庭向けの3次元プリンターは、1辺30cm位の立方体の箱があり、内部の4辺にプリンターターヘッドが備わっている
そのヘッドからは、パソコンから送られてくる、3次元データと色彩データに従って、凝固剤とインクが発射される。
4辺のヘッドの中央に柱があり、ヘッドが近づいて凝固剤とインクが発射される可動式受け皿パネルが、ヘッドの動きに同期して回転しながら上昇する仕組みになっていた。
従って、出来上がったときには底面に小さな穴が生成物の上辺内側まで貫通している状態である。

夏休みに入り、研二はずっと自分の部屋に閉じこもって、3次元プリンターでの工作に夢中になっていた。
母親にねだって、30cm四方くらいの大きさの3次元プリントが出来るプリンターを夏休みに入る直前に買ってもらったのである

3DソフトはMETASEQUOIAを使用した
最初は、ファイル交換ソフトからダウンロードした、人体や、車の模型や、お城の模型を3Dプリントする事に夢中になっていた。

しばらくすると、パソコン雑誌に、3Dプリンター用凝固剤に、新製品が出たという広告を発見した。
コラーゲンを材料にしているらしい。

出来上がった3D立体は、それまでの硬いものではなく、プニュプニュした、まるで生物のような感触のものものという、宣伝が踊っていた。
業務用の大きな3Dプリンターで、お好みの女性の等身大の裸体を作って販売していると言う広告も出始めていた。

研二は母親にねだって、夏休みの宿題用にといって、その新しい3Dプリンター用のコラーゲン剤の凝固剤を買ってもらった。

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