生体のDNA構造が分かった後、それを人為的に模倣する研究がおこなわれていた。
ある研究チームは、無機質物質による人工DNAの複製作りだすことを目指していた。
これの目的は温度などの環境に対して強い生物を作りだすことである。
あるいは重力に影響されることの少ない生物を作りだすことでである。
ここでいう「生物」とは言うまでもなく「未来型人造人間」である。
タンパク質細胞から生成されている人間より、金属で生成される人造人間の方が、生存環境の範囲が広いであろうと想像できる。
さらに傷つけられることが少なければ、寿命そのものもずっと長くなるはずであると、考えられた。
複製を作ることができることから、不死鳥伝説を実現できると考えられていた。
ターミネーターという映画に出てくる液体金属人間を実現できると考えられていた。
液体金属人間は、科学的アプローチにより実現可能な技術である。
別の研究ではDNAの機能そのものをコンピュータープログラムで実現しようとするものである。
2つのアプローチで行われていた。
一つはソフトウェアによる、機能の複製である。
もう一つは論理数学による、機能の複製である。
ソフトウェアによる機能の複製は、考え、増殖する機械の実現である。
スタートレックという映画では、米国がかつて宇宙探索に放った「ボイジャー」という人工衛星を、はるか宇宙のかなたの機械惑星の生物が、頭に組み込んだ機械人間を作って地球に戻すというストーリーである。
この機械人間を実現しようとする研究である。
機械であれば、空気が不要で真空の環境でも、重力の影響を受けにくく、温度への適応範囲も広く、複製そのものも簡単で、宇宙への進出が容易である。
論理数学による機能の複製とは、コンピューターの論理設計そのものの段階で、DNAを作りだそうとするものである。
人間、広く生物の生成が数学という分野で構造設計が行えるようになるものである。
「生命学」という新しい応用数学分野が誕生していた。
論理素子は電子回路で置き換えられるものであるから、コンピューターと発生増殖型人造人間との合体を可能にするものである。

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