ここで何が行われているのだろうか。
人類が長い宇宙旅行をする時の最大の問題は人間の生命維持システムである。
冷凍保存も考えられたが、途中の旅行が危険すぎること、活動している間は肉体が老化することは避けられない。
そこで、神経細胞だけを生命維持装置で生き続けさせる方法の研究がおこなわれていた。
つまり、脳を取り出し、その脳を生命維持装置で生かし続け、体に相当するところは人工とすれば、ある意味、生命活動を行ったまま、長い宇宙旅行を安全に行う事が出来ると考えられたのである。
肉体との接点は脊髄を代用することで可能であるが、脳そのものの中の繋がりは、外部からはどうしようもない。
つまり、考える、感情を持つ、空想する、記憶する、等々の脳の内部活動については、生体脳のコントロールは不可能である。
そこで脊髄や直接に肉体に接続している神経とのコミュニケーションをとるためのホワイトBOXを作り、そのホワイトBOXとコンピューターとの会話の中で肉体のコントロール機能を取り出して機械の体をコントロールさせる仕組みの感性を目指していた。
思考や感情、計算、記憶などの脳の内部機能は、それらの機械部分との会話を通してコントロールするという思想である。
機械部品のエネルギー源は超小型原子炉とし、2台をスワップ使用する仕組みとした。
原子炉は単なる熱源であるから、蒸気を循環させジェネレーターを回すことで電気を得る。
(高熱でイオンの流れを作り、それを動力源とする機構はいまだ開発途上であった)
まず最初はいきなり機械部品に接続するのではなく、ホワイトBOXを介してコンピューターに接続、機械の動作をシミュレートすることで信号を解析する作業が行われていた。
モニター室の4台のモニターは、そのシミュレーションの模様を映し出していたのである。
うち1台は言語を通しての脳との会話でシミュレーションの検証も同時に行っていた。

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